3月11日 と 3.11

3月11日以降、日本全土が復興というものに向けて動いている

自分もその一人だ。

僕自身現場に何度か出入りして支援をしている。

これからも現地をみて行動したいと思っている

 

でも、某CMなどを見ていると、少し不安になってしまう。

テレビからはよく聞こえてくるのは強い日本、がんばろう日本、立ち上がれ日本

 

「一丸となる」それ自体は目標をなす上では必要なことだと思う。

ただ闇雲な気持ちの共有は思わぬ方向に自体が進むこともある。

あの9.11後の日本のように。

 

当時有事にむけて国は浮き足立ち、本質を見失った。

人気先行の政治家は常軌を逸した支持率という名の下に

弱者を叩くことに加担し続けた。強者に正義はないと知りながらも

きらびやかな経済に目を奪われた強者は昔ながらのつながりを分断し

市町村を合併させることで地方の基盤を脆弱化させた。

 

あの時と今はもちろん違う。

しかし、浮き足立った状況とどこか全体主義な感覚は似ていると思う。

何を目指すべき復興とし、何を見失ってはいけないか

行って感じたが、一番しっかりと腰をすえているのは被災地の方々かもしれない。

 

テレビはあおり映像とも取れるほど被害の大きかった地域の映像を流し続ける。

地震の後買いだめに走り、物がなくなり、ガソリンがなくなり、水がなくなる。

大人の不安が、簡単に子供に伝染する。

被災地では、子供の不安を防ぐ為にそれこそ大人が「一丸となって」いるのに。

 

 

とにもかくにも報道は報道の仕事をせずに、現政府を叩くのに必死。

原発を推進し続けていたかつての政党や原子炉メーカーには何も言わずに

あまりにも勉強不足な人物が原発について無責任な発言を繰り返している。

 

 

これだけ地震と津波により原発の被害を受けているにもかかわらず、

なお原発を推進する人はなんなんだろう。

人の痛みが分からないのか、痛みを承知のうえで今の基準を保ちたいのか。

 

 

いや、そんな事ではない。当然そこにはおいしい話があるからだ。

日本の原発技術輸出ビジネスは1基あたり4000億円と超ビックビジネス。

原子炉メーカー名は出さないが各メーカーでの受注目標は2015年までに39基、

2025年までに30基と精力的に受注を狙っている。

 

昨年10月に電力会社、原子炉メーカー、関連機器メーカーによる原発セールスの

官民合同出資会社が設立されベトナムの受注にも成功している。

 

 

しかし今、小さなエネルギーで大きな電力と金を産むこの欲望と犠牲の上に成り立つ、

人智を超えた「素晴らしきエネルギー事業」は、地球に牙を向いた。

 

これを予想し続けた人達はずっと昔から声をあげていた。

残念ながら耳を傾ける人は少なく、時には煙たがられる狼少年のような

ぞんざいな扱いをうけた。

 

経団連の米倉会長は

「千年に一度の津波に耐えているのは素晴らしい、原子力事業は胸を張るべき」

と発言した。もはや救いがたい。これを是非福島県民の前で言って欲しい。

2005年に三陸をおそったマグニチュード7.2の地震でも女川原発の原子炉は

3基緊急停止。

想定基準を超える地震と報道された。

 

3月11日の地震では8.4のマグニチュードは突如今までの測定方法を変更し

9.0と発表。

もはや気象庁の行動すら想定外だ。

 

 

脱原発はデータから言っても無理ではない。

特に断層の上に建つ浜岡原発に関しては中部電力の15%の使用量。

十分無くてもやっていける。いや、そういう道に進まなければいけない。

 

ついでに言うと家庭の電気使用量は30%ではない

30%というのは民生という分類でその中に家庭と

事業(デパート、オフィス、病院)区分けがある。

なので、実際は10%後半といったところ。

電力を余らせない為、供給先を見つける、負荷平準化と言った言葉も存在する。

 

世界では自然エネルギーでやっていこうとしている国があるのか

それはノルウェーやコスタリカである。

コスタリカでは水力と地熱で国の電気がまかなわれている。

実は、そのコスタリカに地熱発電の技術を伝えたのが日本。

そんな技術を持ちながら日本の地熱発電は総電力の0.2%

 

 

 

これから時機を見て「より安全な原発」といった発言も出てくるだろう。

おそらく国づくりの頭数に我々は入っていない。

民意と国は別のところで動いているからだ。

中身の見えない世論調査などで

「次のエネルギーが見つかるまでは必要だと思う○○%」

報道による捻じ曲がったデータを信じてしまう我々。

「民意おそるるに足らず」

これが今までの国のあり方。

 

こういった事を止めるには勉強しかない。

それはデータを集めるとかってことだけではなくて

どうすれば民意が政治に伝わるか、それにはどこに、どのように伝えるか

そういった方法論が必要になってくる。

 

 

3月11日の出来事を3.11と呼ぶ気になれない。

それはきっと自分にも少なからず痛みをともなっているからだと思う。

東北にいってからあの光景が夢に出続ける事を僕は医者に相談した。

避難された方のそういった相談が非常に増えているらしい。

大人でこれだから、子供の心の奥底にこんな思いを潜ませてはいけない。

安心して感情が吐き出せる場所を作ることも大切な支援。

 

そういえば9.11も最初はそう呼びたくなかったことを今、思い出した。

あの出来事にも痛みを持っていた事があった自分に少しホッとした。 

(蓮見 洋平)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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